相島で猫に会えなかった日、島は別の顔を見せてくれた

私は毎月、猫のエサを届けに相島へ行く。
ほんのわずかだけど、持って行くとなんだか安心する。

いつものように朝イチのフェリーで島に着くと
この日は獣医さんの姿もあった。

この日は、いつもと少し様子が違っていた。
猫の姿が、なんだか少ない。

それなら、と予定を変えて歩いてみることにした。
いつもの積石塚群ではなく、遠見番所跡の方向へ。

少しだけ行って、すぐ戻るつもりだった。

——このあと、自分の方向音痴を甘く見ていたことに気づくまでは。

相島に着いて感じた、いつもと違う空気

【福岡・相島】路地裏の風景
いつもと違ってひっそりしています

エサを届けると見えた支え合い

相島の猫たちは、たくさんの人の手で支えられている。

私も、せめて1日分のごはんにでもなればいいな…
そのくらいの気持ちで、毎月フードを持って行っている。

でも正直なところ、この程度の事で猫たちと触れ合えてしまうので、
「支えている」なんて言える立場じゃない。

むしろ、もらっているのはこっちの方かもしれない。

獣医さんの存在

朝イチでエサを渡しにボランティアさんのお家に行くと、
ちょうど獣医さんとお話しされているところだった。

その獣医さんもボランティアで、
定期的に猫たちを診察したり、
必要があれば病院に連れて行ったりしているそうだ。

猫はちょっとした風邪でも油断できない。
だからこそ、こうして見てくれる人の存在はとても大きい。

猫が少ない違和感

島に着いてすぐに
「あれ?なんか猫少ない?」
と、違和感に気づいた。

朝イチの時ってだいたい港付近にも結構いるのに…
「海沿いは縄張りが違うけど、あそこは?」
と、海沿い行って見ても猫がほとんどいない。

公園にもいなかった。

今思えば、獣医さんが猫の定期検診で島の外に連れ出したのかもしれない。

予定変更、遠見番所跡へ向かうことに

軽い気持ちで歩き出す

猫が少ないのがわかったので、
今日は前々から考えていた

「積石塚群とは逆回りコース」を歩こう!」

と、予定変更した。気温もちょうどいい。

午前中で陽もそんなに高くない。人気もない。
もちろん履き古したスニーカーと飲み物はバッチリ。

「ちょっと行ってまた来た道戻ればあとはゆっくりできるし」

そんなぬるい考えで歩き出しました。

方向音痴、発動の気配

毎月相島に来ているのに、いつもと違うルートを歩くのはこれが初めて。

少し前に見た動画で、「遠見番所跡」という場所が紹介されていた。
海と灯台が映る景色がとても綺麗で、
「一度行ってみたい」と思っていた場所だ。

ただ問題は、私がかなりの方向音痴だということ。

——そして今回も、その嫌な予感は当たることになる。

気づけば迷子、そして島を一周していた

【福岡・相島】遠見板書跡に向かう道
道に迷わないように目印のリボンがあります(左上)

同じ景色に見えてくる不安

遠見番所跡を目指して、坂道をひたすら歩く。

でも、どこまで行っても景色が同じに見えてきた。

「これ、引き返した方がいいのかな」
そう思う一方で、
「せっかくここまで来たんだから、もう少し先まで行きたい」
という気持ちもあって、なかなか決めきれない。

舗装されていない山道とアスファルトが交互に続く、不安定な道。
近くで木を切る音はするのに、人の姿は見えない。

——少しだけ、「ヤバいかも」と思い始めていた。

やっと遠見番所跡に到着!

人気のない道をしばらく歩く。

「ここであってる?」

自分より優秀な地図アプリ相手にそんな事を呟きながらずっと歩く。

すると、遠見番所跡の看板をようやく発見。
遠見番所跡は、昔この島を行き交う船を見張っていた場所らしい。

ちょっと滑りやすい場所だったので、手すりに捕まりながらゆっくり登っていく。

そこには入り口のイメージとはまったく想像できない景色が広がっていました。

【福岡・相島】筑前相島灯台
灯台を初めて見ました。

遠見番所跡にある灯台が見えてきた。
白い塔にうっすら生えた苔と、まわりの緑。

無骨で、「THE・働く鉄」って感じのかっこよさがある。

現在も、玄界灘を航行する船舶の安全を守るための重要な標識として利用されています。

遠見番所跡と灯台を見終わり、目的は達成。
あとはフェリーの時間に間に合うように戻るだけ——のはずだった。

こんな場所に猫はいないだろうと思っていたのに、途中でまさかの遭遇。
お腹を見せてくる“猫トラップ”に、思わず足が止まりそうになる。

【福岡・相島】伸びる猫
急いでいる時にこういうことをするのは猫あるある

……いや、今はそれどころじゃない。
フェリーの時間がある。ごめん。

早歩きで進みながら、
「あれ?この道、さっき通ったっけ」
と、ふと違和感がよぎる。

気づけば、すれ違うのは人ではなく猫ばかり。

「どうしよう、人いない……」

少し不安になりながら歩いていると、
ようやく人とすれ違って、ほっとする。

でもその直後、また違和感。

みんな、やけに余裕のある顔をしている。

……あれ?と思ったその時、
見覚えのある景色が目に入った。

「え、なんでメガネ岩が見えるの?」

メガネ岩が見えた瞬間の衝撃

【福岡・相島】メガネ岩
なんか見覚えのある風景…

メガネ岩が見えた瞬間、まぼろしかと思った。
でも、しっかり時間は経ってる。

「いや、まさか」と思いながら歩く。

だんだんーーー

「ええ……?」

膝から崩れ落ちそうな位の衝撃。

今見えてるメガネ岩が現実。
そう。私は相島を一周していたのだ。

どうりで2時間近くもかかったわけだ。

猫に会えない日も、相島はちゃんと面白い

【福岡・相島】穴観音から望む海
崖からの絶景

猫に会えない日でも、相島にはこんな見どころがあります。

・太閤潮井の石
・穴観音
・積石塚群 など

観光地として派手ではないけれど、
歩いてみるとじわっと面白い場所が多いです。

まとめ|迷ったけど悪くなかった

今回は予定を変えて、いつもと違うルートを歩いてみました。

案の定、道に迷ったけど——
それも含めて、なんだか楽しかった。

「まあ、こういう日も悪くない」

疲れたけど、満足感の方が大きい。

猫に会えない日でも、
相島にはまだまだ知らない景色があるみたいです。

そんな記事をまとめました。
相島いろいろまとめ

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