昭和ガラスシリーズ第2弾です。
散歩していたら、偶然、とても可愛らしい模様を見つけました。
窓越しに広がる、青空によく映える淡いブルーの草原。
多分私はこの模様を見るのは初めてです。

今の家づくりではほとんど見かけなくなった、不思議な手触りのガラス。
今回ご紹介するのは、三つ葉の模様が可憐な「みどり」。
この「みどり」という名前、植物の「緑」を指すのか、
それともかつての憧れの女性の名前を冠したのか……私の中で想像が膨らみます。
昭和の住宅や商店の窓によく使われていた「型板ガラス」。
模様が入った独特のガラスで、光をやわらかく通すのが特徴です。
昭和の住宅に多かった「型板ガラス」とは
昭和の住宅では、プライバシーを守るための目隠しとして、
玄関や引き戸、トイレの小窓などに広く普及しました。
光を柔らかく採り入れつつ、
室内の様子を絶妙にぼかす実用的な模様ガラスとして重宝されたのです。
職人の手仕事が消えていく寂しさ
この型板ガラスたちは、1960年代から70年代にかけて爆発的に普及しました。
当時は高度成長期。
人口も、それに伴う住宅も数多く造られました。
いろんなニーズに応えるごとに型板ガラスの種類が増えていった。
私はそう推測しています。
しかし、ガラス職人や人口減少、建物の老朽化などの理由もあり、
現在ではそのほとんどが生産終了となっています。
昭和ガラスが希少な3つの理由
今は造られていない、そして、当時の人たちの
「ガラスへの憧れ」や「心」もが昭和ガラスに詰まっている。
それも希少な理由なのですが、主な理由はこの3つ。
1.唯一無二の質感
ロールアウト工法で刻まれた模様は、一つひとつ表情が異なります。
2.プライバシーと採光の両立
視線を遮りながら、外の明るさを室内に取り込む知恵。
3.「みどり」の魅力
茎から伸びる三枚の葉が、まるで窓一面に草原を映し出しているようです。
古きよき“モダン“を求めて
昭和の住宅には、このように模様の入った型板ガラスがさりげなく使われていました。
今、リノベーションやアンティーク雑貨として、この昭和ガラスが再評価されています。
もし古い空き家や、親戚の古い家で見つけた時、
それはきっと
「失われつつある日本の工芸」
に出会えた素敵な瞬間かもしれません。
昭和の住宅には、こうした個性的な型板ガラスが多く使われていました。
古い建物を訪れると、思いがけない場所で出会えるのも楽しみのひとつです。


