混雑を承知で、それでも「行かなくちゃ」と思った理由
わざわざゴールデンウィークに相島に行くなんて、自分でもどうかしてる。
混むのはわかっているし、猫たちがゆっくり休めないのもわかっている。
それでも、1週間前から天気予報とにらめっこしながら、
「もう、この日しかない」
と体が動いていました。気づいたらスマホでフェリーの時刻表を調べ、スケジュールを組んでいる。
それが相島リピーターの性分なのかもしれません。
誰に頼まれたわけでもないのに生まれる、謎の使命感。
「今、あの子たちはどうしているだろう」
そんな思いを胸に、今回も朝イチの便で島へ向かいました。
結論から言うと、朝イチを選んで大正解でした。
今回は、顔見知りの猫ボランティアさんから小さな別れの話を聞くことになり、帰りのフェリーでは少しだけしんみりした気持ちに。
「GWの相島って実際どうなの?」
というリアルを、リポートしたいと思います。
朝イチ便と2便目、これほどまでに違うのか
新宮の渡船場に着いたのは、始発便の15分前。
GW初日、相当な行列を覚悟していましたが、意外なほど静かでした。

待合室には、竿を持った釣り人、小さな子どもを連れたご家族、そして里帰りらしき大きな荷物を持った地元の方々。
にぎやかではあるけれど、観光客でごった返しているというより、
それぞれの目的を持った人たちが静かに船を待っている、そんな穏やかな空気です。
フェリーに乗っても席には十分な余裕がありました。

私は2階デッキではなく、船内でテレビを見ながらぼんやり。
毎月通っていると、船酔い対策のコツもわかってきます。
せっかく島に着いても、酔ってしまうと回復まで時間がもったいないですからね。
上陸後、波の音を聴きながら海辺をゆっくり歩いたり、民家の昭和ガラスを探して散策したり。
贅沢な時間を過ごしていると、遠くから船の汽笛が聞こえてきました。
2便目の到着です。ここから、島の空気が一変します。
ゴールデンウィークの相島は想像以上の激変!?
2便目のフェリーが接岸すると、外国人観光客、カップル、グループ客……
体感で100人は超える人々がドッと降りてきました。

「すごい……これがGWの力か……」
普段、平日の静かな相島を知っているだけに、その光景には圧倒されます。
狭い道に人があふれ、猫を見つけるたびにスマホを手にした人だかりができる。
みんな笑顔で楽しそう。
それはとても微笑ましい光景なのですが、ひとりで静かに猫と過ごしたい私のようなタイプは、少々肩身が狭い思いをしました。
もし午後から来ようとしていたら、フェリーに乗れないどころか、帰りの便すら危うかったかもしれません。

GW中に相島をゆっくり楽しみたいなら、1便(朝イチ)一択です。
ちょっと早起きするだけで、快適さが全く違います。
5月でも油断禁物。冷たい潮風と猫たちの様子
島に上陸して最初に感じたのは、
「寒い!」
ということでした。
GW、春のうきうき気分で来ましたが、海風は想像以上に冷たく、体感温度は秋口のよう。
少し厚手の服を着てきて正解でした。
猫たちも、日当たりのいい場所に固まってじっとしています。
この日は強風の影響か、姿を見せてくれたのは30匹ほど。
いつもより島全体が静かな印象でした。
ただ、問題は午後。 観光客が増えるにつれ、猫たちの様子にも変化が。
ひっきりなしに撫でられ、写真を撮られ、声をかけられる。
最初は愛想よく応じていた子たちも、時間が経つにつれて目が「半眼」に……。

「もう、いいかげんにしてくれないかな……」
という心の声が漏れ出しているような表情。
猫の「撫でられ疲れ」は、決して冗談ではありません。
申し訳ない気持ちになり、私はそっと人混みを離れ、いつもの猫ボランティアさんのもとへ向かいました。
ボランティアさんとの再会。旅立った猫たちのこと

私が毎月島に通う目的のひとつは、ボランティアさんに猫のエサを届けること。
私にとって、これは「猫カフェの代金」のようなものです。
重たい猫缶を渡し、待合室で近況を伺いました。
「最近、猫たちはどうですか?」
少しの間を置いて、ボランティアさんは静かに言いました。
「先月ね、2匹、逝ったんですよ」
それは、私がずっと気にかけていた高齢の猫たちでした。
長く島で生き、多くの人に愛された子たち。
胸のなかに、すとんと何かが落ちるような、冷たくて切ない感覚がありました。
猫の寿命は人間より短い。外で生きるならなおさら、いつかその日が来る。
頭ではわかっていても、寂しいものは寂しい。
でも、それ以上に私が感じたのは、見送る側の重みです。
毎日世話し、関係を築き、そしてお別れを繰り返す。
その積み重ねの重さは、月に一度訪れるだけの私には想像もできないほど深いものでしょう。
私は
「そうですか……」とだけ答え、
ボランティアさんも
「うん」と一言。
あとは何事もなかったかのように、いつもの世間話をしていました。
猫は空気を読めるのか?
雑談をしていたとき、ふと自動ドア(ボタン式)の向こうに馴染みの猫が立っていました。
「ねえ、開けてくれない?」
と言わんばかりの顔。
ボタンを押すと、すかさず中に入ってきて、迷わず私の膝の上へ。

あたたかくて、重くて、ゴロゴロという振動が足から伝わってくる。
「大丈夫だよ」
となぐさめてくれている。
……そんなふうに勝手に解釈してしまいました。
何も言わなくていい、笑顔を作らなくていい。
ただ猫と一緒にそこにいるだけの、静かな時間。
旅立った子たちのことは悲しいけれど、今ここにいる子たちが、今日も自分のペースで生きている。
その命の重みを肌で感じられただけで、今日この島に来た意味があったと思えたのです。
まとめ:GWの相島を賢く楽しむための4箇条
私は2便目で帰宅したのですが、下船する際、これから相島に行こうとする観光客の長い列を見て震えました。
この時間って完全に昼時狙ってるよな…絶対ごった返しそう…。
係員の方の「あと30名で満席です!」というアナウンス。
これから行く方、ぜひ以下のポイントをチェックしてください。
- 連休は「朝イチの1便」を狙う:2便目以降は別世界です。静寂を楽しみたいなら早起き必須!
- 防寒対策は万全に: 5月でも海風は冷えます。羽織れるものは紫外線対策にもなるので必須です。
- 猫の数は天候次第:強風の日は隠れて出てこないこともあります。それもまた「リアルな島の姿」と心得て。
- 帰りの便は余裕を持って:「乗れないかも」という焦りは禁物。早め早めの行動が吉です。
一度きりの観光でも素敵な島ですが、もし気に入ったなら、ぜひ何度も足を運んでみてください。
猫だけでなく、歴史ある史跡や、季節ごとの潮風。
今度の週末、あなたも島のリズムに身を任せてみませんか?
島旅のあとは、昭和レトロな空間で一息つきませんか?


