相島で見つけた昭和ガラス「桜」|塩害の島に残る型板ガラスの魅力

いつもは猫たちを目当てに行く相島。

気づけばカメラロールは、猫と海の写真でいっぱいになっていました。

相島へのアクセスのくわしい記事はこちら

「たまには少し違う相島を見てみたい」

そう思い、今回は猫を追いかける足を少し止めて、ゆっくりと集落を歩いてみることに。

そこで出会ったのが、トイレの小窓に残されていた昭和ガラス「桜」でした。

海に囲まれ、塩害で古い建物が残りにくいこの島で、
なぜこの一枚だけが、今も現役で残っているのか—。

この記事では、相島で見つけた昭和ガラスの魅力とともに、
猫だけではない島の楽しみ方をご紹介します。

猫を追いかける足を止めた、一枚の窓ガラス|相島での気づき

相島を訪れると、真っ先に猫のところに行ってしまう私。

「たまには他の写真も撮らなきゃ」
と思いつつ、気づけばいつも猫と海の写真ばかり。

今回も、ジンバルカメラ片手に猫の姿を探しながら
港付近や海沿いを歩いていました。

歩きながら
「今日は猫のいなそうな場所に行ってみようかな?」

と思い、気づいたら足が集落の方に向いていました。

「もしかすると古い町並みの中に昭和ガラスが残っているかも」

という期待もあったのです。

路地裏を歩きながら何気なく上を見上げたときに目に留まったのが、
一枚の小さな可愛らしい窓ガラスでした。

昔どこかで見たことのある模様。

「おっ?あれは昭和ガラス?」
と足を止めたのが、「桜」との出会いでした。

昭和型板ガラス「桜」202604使用
トイレの小窓に残っていた桜模様

相島の町並みは新しい?塩害で建て替えが多い理由

島と聞くと、昔ながらの古い家並みをイメージする方も多いかもしれません。

ですが、 実際相島を歩いて気づいたのですが、比較的新しい建物が多いのです。


木造住宅をリフォームして補強したお家や、アルミサッシの建物などが多く見られます。

そのせいもあり、昭和ガラス率も少ない…。ちょっと寂しい。

その理由のひとつが「塩害」です。

海に囲まれた環境では、潮風によるダメージを受けやすく、
建物の劣化がとても早いのです。金属部分はあっという間に錆びてしまいます。

そのため、定期的な修繕や建て替えが必要になり、
その結果、古い建物や設備が残りにくい環境になっているようです。

そんな中で、昔ながらの素材や建具が残っているのは、とても貴重に感じられました。

トイレの小窓の昭和ガラス「桜」 〜セントラル硝子製

集落を歩いている中で見つけたのが、とある住宅の小さな窓。


場所はトイレと思われるスペースの一角。

そこに、ひっそりと残されていたのが昭和ガラス「桜」です。

光を受けてほんのりと浮かび上がる模様は、
控えめで、どこかやさしく、やわらかな印象。

日常の中に自然と溶け込んでいる様子が、とても印象的でした。

観光地としてではなく、

「今でも現役として使われている生活の一部」

として存在していることが私にとって心惹かれる部分です。

※撮影は離れた場所からズームで行い、住民の方の生活の妨げにならないよう配慮しています。

昭和型板ガラス「桜」とは|今は製造されていない理由

この「桜」は、主に1960年代〜1970年代前半にかけて
爆発的に普及した型板ガラスの模様のひとつ。 

全体がザラザラとした地になっていて、
その中に透明な桜の花びらが点々と散りばめられ、
やわらかく繊細なデザインが特徴です。

昭和ガラスのデザインは多彩で、花以外にも植物シリーズもあります。

風にそよぐ昭和ガラス「みどり」

型板ガラスは「光は通すが、視線は遮る」という性質があります。

特に「桜」は、ザラザラした表面が光を乱反射させるため、
今回見つけた「トイレの小窓」のような、
プライバシーを守りたい場所にはまさにうってつけの素材でした。

しかし、現在では住宅事情も大きく変わり、
桜を含めた昭和型板ガラスは製造が終了しているものがほとんど。

新しく手に入れることはとても難しいらしいのです。

今では現役で見かける機会も減ってきています。

時代の流れなので仕方のないことなのですが。

こういうガラスが残っている風景が、私は好きです。

個人的には残しておいて欲しい…。

まとめ:視点を変えれば、島はもっと愛おしくなる

相島といえば猫のイメージが強いですが、少しだけ視点を変えて歩いてみると、
また違った魅力や日常に出会うことができます。

何気ない、昭和の名残がそっと残されている風景。

それは観光ガイドには載っていない、島の日常の一部です。

次に相島を訪れるときは、猫を探しながら、
ぜひ少しだけ周りにも目を向けてみてください。

思いがけない発見が、きっと待っているはずです。

私にとっては、それがこの「桜」でした。

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