相島の町並みが新しく見える理由|塩害で建て替えが多い島の特徴

相島といえば猫の島というイメージが強く、
昔ながらの古い町並みを想像する方も多いかもしれません。

ですが実際に歩いてみると、
「思ったより新しい建物が多い」と感じる場面があります。

私自身も島を歩きながら、
木造住宅のリフォームやアルミサッシの家が多いことに気づきました。

なぜ相島では古い家並みがあまり残っていないのでしょうか。

その理由のひとつが、海に囲まれた環境ならではの「塩害」です。

この記事では、相島の町並みが新しく見える理由と、
島の環境との関係について、実際に歩いて感じたことをもとに紹介します。

相島へのアクセスやフェリーについては、こちらの記事で詳しくまとめています。

相島フェリーアクセスまとめ

相島の町並みは新しい?歩いて気づいた違和感

何度か相島に足を運ぶうちに、ある違和感に気づきました。

「この島、思ったより新しい建物が多いな」

猫とすれ違いながら路地を歩いていると、
モダンな外壁の家や、きれいに塗り直された住宅が目に入ります。

アルミサッシの窓、比較的新しそうな外壁、改築された家。


離島というと、古い木造家屋が並ぶイメージを持ちがちですが、相島は少し違います。

もちろん古い建物も残っています。


ただ全体を見ると、「意外と新しい」という印象が強く残るのです。

最初は気のせいかと思っていましたが、何度か通ううちに、ある言葉が浮かびました。

「塩害」です。

その瞬間、「ああ、そういうことか」と腑に落ちました。

塩害とは?海に囲まれた環境のリアル

【福岡・相島】遠見番所跡方面からの風景 202604使用
海に囲まれた相島では、こうした環境が建物にも影響を与えています。


海の近くでは、潮風に含まれる塩分によって建物や金属が傷みやすくなります。


海風に含まれる塩分が付着することで、金属や建物の劣化が進みやすくなります。

実は私自身も海の近くに住んでいて、
引っ越してきた当初は塩害の知識がほとんどありませんでした。

以前は山の近くに住んでいたこともあり、
塩害を意識することはほとんどなかったんです。

そのため、自転車が驚くほど早く錆びてしまい、
「なんでこんなに錆びるの?」と何度も疑問に思っていました。

原因が潮風による塩害だと気づくまで、数年かかりました。

それくらい、海沿いの環境は建物や金属にとって負担が大きいということです。

四方を海に囲まれた相島では、その影響はさらに大きいはず。


そう考えると、町並みの印象にも納得がいきました。

相島で建て替えが多い理由 

塩害の影響を受け続けると、修繕だけでは追いつかなくなる時期がきます。

外壁を塗り直しても、屋根を補修しても、
構造そのものが弱ってしまえば、いずれ限界を迎えます。

その結果、建て替えを選ぶケースが増えていきます。

また、相島は福岡県の離島ではありますが、
新宮港からフェリーで約20分とアクセスは比較的良好です。

とはいえ、建材を運ぶとなると話は別。
材料は船で運ぶ必要があり、手間もコストもかかります。

そのため、建て替えの際には

・塩害に強い外壁材
・錆びにくい金属素材
・メンテナンスしやすい設計

といった対策が取られることが多くなります。

それでも補修のスパンは短くなりがちです。

こうして建て替えや補修を繰り返すうちに、
建物の見た目は徐々に現代的になっていきます。

それが、「意外と新しい町並み」という印象につながっているのです。

それでも残る昭和の風景

とはいえ、島のすべてが新しくなったわけではありません。

細い路地の奥に入ると、
苔の混じった石垣や、年季の入った木造の建物がひっそりと残っています。

しかも、その多くが現役です。

港近くの路地裏では、


錆びた看板やトタン塀、潮風に削られた木の質感など、
昭和の面影を感じる風景に出会うこともあります。

新しい建物と古い建物が、自然に混ざり合って存在している。


それが、相島の町並みの魅力のひとつです。

路地を歩いていて偶然見つけた
昭和ガラス「桜」も、そんな風景の中のひとつでした。

古いものと新しいものを見比べながら歩く。

それもまた、相島ならではの楽しみ方だと感じています。

昭和ガラスについては別記事で紹介しています。

小窓に咲く「桜」

まとめ|「なぜ?」で見える景色が変わる

相島の町並みが新しく見える背景には、塩害という環境と、
それに向き合いながら暮らしてきた人々の営みがあります。

最初は「思ったより新しく見える島だな」という印象でした。


でも、その理由を知ることで、見える景色は大きく変わりました。

建物の壁や屋根ひとつひとつに、暮らしの積み重ねが感じられるようになります。

ただ「新しい」「古い」で終わらせるのではなく、
「なぜそうなっているのか」を考えてみる。

それだけで、同じ景色がぐっと豊かに見えてきます。

相島を訪れる際は、猫や海だけでなく、町並みにも少し目を向けてみてください。

一見新しく見える建物にも、島ならではの環境が影響していることに気づくと、
また違った見方ができるはずです。

相島は小さな島ですが、歩くたびに新しい発見があります。

猫を探しながら、町並みにも少し目を向けてみる。


きっと、また違った相島の表情に出会えるはずです。

島旅のあとは、昭和レトロな空間で一息つきませんか?

昭和ガラス図鑑

LinkSwitch設定