傷心のリベンジ散歩〜福岡市東区箱崎へ
朝一番に届いた「ブログの不合格通知」。
布団の中で「もうブログ辞めたい…」と落ち込むところから、私の1日は始まりました。
このまま家でウダウダしていても仕方がない。
「よし、外に出よう」
と向かったのは、福岡市東区の「箱崎」です。
前回の呉服町・店屋町散歩では「網入りガラス」に阻まれ、
目的の昭和ガラス(型板ガラス)があまり見つかりませんでした。今回はそのリベンジ散歩です。
この記事では、昭和レトロな街並みが残る箱崎の路地裏散歩の様子と、
なぜ古い街なのに昭和ガラスが消えたのかという意外な理由、
そして博多・福岡空港からのアクセス方法をまとめています。

【福岡市東区箱崎】昭和ガラスを探してレトロな学生街の路地裏へ
箱崎の街は、細い路地が入り組んでいて、どこか美野島にも似た懐かしさがあります。
似てるけど、どことなく違う。
かつて学生街だったから、その名残からなのか。
しかし、そこがまたいい。

木造住宅にトタン板……雰囲気は最高。
なのに、歩いても歩いても目に飛び込んでくるのは、またしても「網入りガラス」。
昭和ガラスを求めて、静かな寺町の路地裏へ

「なんで? これだけ古い町並みなのに」
古い木造住宅ですら揃ったように網入りガラスの窓が目立つ。
網入りガラス自体はそこまで古くはない。
パッと見は30年くらい前のものに見える。
「なんで昭和ガラスないんだろう…」
そう思いながらフラフラと歩くうちに、お寺近くの路地裏に迷い込みました。
そこは、焦げ茶色を基調とした小さな街並み。
細やかな造りの格子戸が並び、目の前をどこかの飼い猫が通り過ぎる。
まるでタイムスリップしたような静かな空間。
「夢の中にいるみたい……」
思わず立ち尽くしたその時でした。
なぜ古い町並みに「網入りガラス」が多いのか?意外な理由と歴史
「何か探しよっとですか?」
立ち話をしていたご婦人2人に声をかけられました。
不審者に見えないよう、必死にスマホの
「昭和ガラス・コレクション」を見せる。
「あらー、懐かしかねー」
ご婦人方はそういやこんなのあったね的な話をしながら昭和ガラスを見ている。
「どうです?馬出ダメだったんで箱崎に来たんですけど」
「ここら辺は、こういうのなかよ。みんな網入りに変わっとるけん」
「ええっ!?」
衝撃のひと言に呆然とする。
なんと、福岡空港ができた際の騒音対策や、
密集地の消防法の影響で、街のガラスは一斉に交換されてしまったのだそうです。
お寺の借地ゆえに「外観」は守られてきたけれど、
「昭和型板ガラス」という「機能美」は時代の波に飲まれ、変わっていました。
それを聞くと、呉服町や店屋町の網入りガラスの多さも合点がいく。
生活する上での「共存」。
こればかりはしかたがないのだ。
【元下宿を訪問】今も残る箱崎の温かい下宿文化と昭和の面影
ガックリ肩を落とす私に、ご婦人たちがとんでもない提案をしてくれました。
「ウチなら、中にあるかもよ。来る?」
えっ!? いいんですか!?
昭和ガラスを探していたはずが、気づけば見知らぬお宅の玄関をくぐっていました。
1軒目:引き戸に輝く昭和ガラス「夜空」と「古都」

築70年ほどというそのお宅の引き戸には、デカデカと「夜空」の模様が!
「下のガラスは子どもが割っちゃってね」と笑うご婦人。
2階へ続くはしごのような階段を上がると、窓一面に「古都」が広がっていました。

ふと見ると、間仕切りに鍵の跡。
「昔は学生さんを間借りさせよったと。風呂なしでも借りてくれたけんね」
その言葉を聞いて、ストンと腑に落ちました。
なぜ見知らぬ私をすんなり招き入れてくれたのか。
この街には、外から来た人を温かく受け入れる「下宿文化」が今も息づいているのです。
2軒目:築100年!左官職人の技術と雪見窓が残るお宅
1軒目でお腹いっぱい……と思っていたら、
なんと、玄関先に先ほどのもうひとりのご婦人が待っていてくれました。
「ウチも来る? 古いよ〜」
断る理由なんてありません。
まさかのハシゴお宅訪問です。
左官業を営んでいたというご主人の実家は、もはや老舗旅館。

ご婦人はサラッと
「古い」
と言っていたけれど、単に古いのではない。私から言わせれば有形文化財並みだ。
当時の左官の細かい仕事ぶりが光る内装、
今ではほとんどお目にかかることはできないだろう。
あまりの存在感を前に、言葉にならないくらいの衝撃だった。
高い天井、美しい雪見窓、意匠を凝らした剥き出しのガス管。

昭和ガラスこそなかったものの、細部に宿る日本建築の美しさに息を呑みます。

「昔は2階に芸者を呼んでいたこともあるのよ」
「ここは九大生が下宿しよったと」
箱崎という街が、かつてどれほど賑やかで、多様な人々を受け入れてきたのか。
ご婦人たちの語る物語が、目の前の古い建具と重なり、立体的な歴史となって迫ってきました。
博多・福岡空港から箱崎(筥崎宮)へのアクセス方法 (2026年7月時点)
| 出発地 | 利用交通機関 | ルート詳細 | 所要時間 | 料金(大人) |
|---|---|---|---|---|
| 博多駅 | 地下鉄 | 空港線(筑前前原方面) ➔ 中洲川端駅で箱崎線(貝塚方面)に乗り換え ➔ 箱崎宮前駅(1番出口)下車すぐ | 約15〜20分 | 260円 |
| 博多駅 | JR在来線 | 鹿児島本線(小倉方面・普通列車) ➔ 箱崎駅下車 ➔ 西口から徒歩約8分 | 約13分 (乗車5分+徒歩8分) | 230円 |
| 福岡空港 | 地下鉄 | 空港線(姪浜方面) ➔ 中洲川端駅で箱崎線(貝塚方面)に乗り換え ➔ 箱崎宮前駅(1番出口)下車すぐ | 約25分 | 300円 |
箱崎の光と、次なるリベンジ「吉塚」へ
お礼を伝えて外に出ると、昼間の箱崎の住宅街はまた違った表情を見せてくれました。
外側は網入りガラスでも、内装にはすりガラスや型板ガラスを使い、柔らかい光を取り入れる。
そんな上品な住まい方が、この寺町には流れています。
結局、昭和ガラスの写真は数枚しか増えませんでしたが、それ以上に大きな「心の収穫」がありました。
ご婦人いわく、「昭和ガラスなら吉塚に行ったらあるかもよ」とのこと。
次は「リトルアジア」とも呼ばれる吉塚、かつて闇市があったあの街へ向かおうと思います。
帰り際、古めのアパートから流れてきたアジアンミュージックが、
不思議と昭和の街並みにマッチしていました。
結び:心のバッテリーは100%に
出かける前はアドセンス不合格で「ブログを辞めたい」と落ち込んでいましたが、
箱崎の街を歩き、温かいご婦人たちと出会ったことで、帰る頃には心のバッテリーがフル充電になっていました。
昭和ガラスを探す旅はまだまだ続きますが、こうした「一期一会の出会い」があるからこそ、
街歩きもブログもやめられそうにありません。
もし「最近ちょっと疲れたな」「レトロな街並みをのんびり歩きたいな」と感じている方は、
ぜひ箱崎の路地裏を訪れてみてください。有名観光地を巡るのとは一味違う、温かい発見があるはずです。
次回は、ご婦人に教えてもらった「吉塚エリア」へのリベンジ散歩をお届けします!

