古い街並みを散歩していると、ふと足が止まる瞬間があります。
それは、再開発を待つ古いお家の窓に、太陽が当たって「模様」が浮き上がった時。

うちの近所を散歩していて
「たまには違う路地に入ってみようかな?」
と、軽いノリでいつもは入らない路地に。
今思えばこの「らんまん」がもともと昭和レトロ好きだった私の中の
「もっと見たい!」
という気持ちを爆発させるきっかけだったのかもしれません。
今回見つけたこの「らんまん」。
現役のお家でしたので、カメラを向けて、窓ガラスの模様だけをズームアップ。
「おっ?」
と思って、一度来た道を引き返し、スマホカメラでパシャリ。
完全に不審者です(笑)
帰ってからカメラロールを確認すると、
そこには飴細工のような華やかな世界が広がっていました。
昭和ガラス「らんまん」という名のガラス 〜セントラル硝子製
この模様の名前は「らんまん」。
昭和40年代(1968年頃)にセントラル硝子から発売された、
日本の昭和レトロを代表する型板ガラス(表面に模様のあるガラス)のひとつです。
「らんまん」はその中でも特に華やかなデザインとして人気を博しました。
細やかな曲線を活かした美しさ。
その名の通り、爛漫と咲き誇る花のような華やかで、私の大好きなデザインです。
型板ガラスとは?
くわしい内容はこちらの記事から。

紙障子からガラス障子、そして型板ガラスと時代の移り変わりによって少しづつ形を変えながら
技術と素晴らしいデザイン性を融合させ、銀河などのヒット作を世に送り出しました。
らんまんのデザインの特徴
デザイン
型板ガラス特有の、表面の凹凸と大胆な曲線。
どちらかというと洋のテイスト(なんとなく百合の花っぽい)を持ちながらも当時の昭和家屋にマッチ。
今の平坦でクリアなガラスとは違い、
視線を遮りつつ柔らかな光を取り込むことができます。
見ているとなんだか心が豊かになる、そんな優雅なデザインです。
自分の中のかすかな記憶
多分昔どこかで見たことはあるんですが、どこだったんだろう……
それくらい記憶が曖昧。
それもそのはず、作られたのは50年以上前。
高度経済成長期の真っ只中です。
昭和の時代、きっとこの窓越しに家族の笑い声が聞こえていたんだろうな……
家を建てるとき、この「らんまん」を選んだ理由ってなんだろう?
デザインが豪華だからかな?
そんな事を想像すると、ただのガラス窓が、急に愛おしいものに見えてくるから不思議です。
消えゆく景色を残したくて
近所でも古い家がどんどん取り壊され、私の住んでいる街も、新開発が進み、
マンション建設現場をよく見かけるようになりました。
うちの近所はわりと多く残っている方かもしれませんが、
それでも明日、なくなっているかもしれない。
それがとても寂しい。
時代の流れには逆らえないけれど、せめて私のブログの中だけでも、
この美しい「昭和の欠片」を大切にコレクションしていこうと思います。

