昭和ガラスシリーズ第5弾です。

昭和ガラスの中でも「かるた」と呼ばれる模様があります。
昭和ガラスには「かるた」以外にもさまざまな模様があり、
たとえば「石垣」や「石目」なども有名です。
昭和ガラス「石垣」のくわしい記事はこちら
昭和ガラス「石目」のくわしい記事はこちら
散歩中に見つけて、「あ、これ好きだな」と思って撮った一枚。
調べてみると、このガラスはすでに廃盤で、今はほとんど残っていないものだそうです。
この記事では、そんな昭和ガラス「かるた」の魅力を、写真とともにゆるく紹介します。
昭和ガラス「かるた」とは 〜セントラル硝子製
「かるた」は、1965年にセントラル硝子から発売された型板ガラスです。
「かるた」は、四角い模様がランダムに並んだ型板ガラスで、
昭和期に使われていたもの。
現在は廃盤になっていて、残っているものはかなり貴重です。
型板ガラスとは、ガラスの片面に凹凸の模様をつけて製造されたもの。
型板ガラスは「光を通しながら視線を適度に遮る」
という日本の狭い住宅事情にマッチし、玄関、窓、間仕切りなどに重宝されました。
「桜(さくら)」「梨地(なしじ)」「モール」「竹」など、
それぞれに名前がついていて、
その種類は100種類以上にのぼるとも言われています。
特別な道具は必要ありません。
街を歩きながら「これかな?」と気づくだけでいい。
そういう、ゆるやかで続けられる楽しみ方が、
50代のひとり散歩とすごく相性がいいなと思いました。
散歩中に見つけた「かるた」
私が見つけたのは、住宅街の路地にある結構な築年数の民家でした。
外壁の塗装も少し古びてる。
でも、庭先の窓ガラスの下部分にそのまま残っていました。
近づいてみると、ガラス全面に細かい四角の模様がランダムに並んでいました。
光が当たるたびに白くにじんで、奥がぼんやりとしか見えない。
現代の透明なガラスとはまったく違う、やわらかな存在感です。
スマホで写真を撮ろうとしたら、
うまく模様が映らなくて何度も撮り直しました。
角度によって全然違う表情になるんですよね。
撮影がなかなか難しかった。
「かるた」の好きなところ
- 光の入り方がやわらかい
四角いランダムなデザインが光を乱反射させ、やわらかい印象 - レトロすぎないデザイン
和モダンで、どんなタイプの住宅にもマッチする - どこか生活感がある
今ではほとんど見かけない「おしゃれなすりガラス感」に生活感を感じる
懐かしさについて
このガラスを見ていると、祖母の家の廊下を思い出します。
薄暗い廊下の突き当たりにあった引き戸がありました。
向こう側の光がぼんやりと透けて見えていたあの感じ。
自分でも忘れていた記憶が、ガラス越しの光でふっと戻ってくる。
そういう体験をするとは思っていなかったので、少し驚いた記憶があります。
違和感について
一方で、現代の街並みの中にこのガラスがあると、
どこかちぐはぐな印象を受けるのも正直なところです。
周りの家はみんなアルミサッシで、シンプルな透明ガラス。
そこにひとつだけ、模様入りの古いガラスが残っている。
その「浮いている感じ」が、かえって目を引くのかもしれません。
なんか気になる感じ
美しいとか貴重だとか、そういう言葉にする前の
「なんか気になる」という感覚。これが一番正直な気持ちです。
意味がわからなくても、
価値があるかどうかもわからなくていいんです。
ただ足を止めて、じっと見てしまう。
そういう出会いがソロ散歩にはあるんですよね。
昭和ガラスを知ってから、
路地裏や以前は素通りしていた古い建物の窓が気になるようになりました。
「あの綺麗なガラス、なんて名前だろう」
と思いながら歩くだけで、同じ道がちょっと違って見えてくるから不思議です。
今ではもう見られないガラス
昭和ガラス「かるた」は、特別な場所に行かなくても楽しめます。
古い住宅街、商店街の裏路地、昭和の面影が残るエリアを歩けば、
まだまだ出会えるはずです。
見つけるために必要なのは、
『立ち止まる余裕と、少しだけ視野を広げる』こと。
スマホでメモ程度に写真を撮って、
「これはなんて模様かな」と後で調べる。
それだけで、いつもの散歩がちょっとした探検になります。
急がなくていい50代のひとり散歩だからこそ、
こういう小さな発見を丁寧に拾っていける。
昭和ガラス「かるた」は、そんな時間の使い方にとても似合う。
昭和ガラスは、気づかないうちに身近な場所に残っていることがあります。
何気ない風景の中に、こんな面白い模様があると思うと、ちょっと散歩が楽しくなります。
また見つけたら、少しずつ記録していこうと思います。
気になる方は、まずは近所を歩いてみてください。
意外と、すぐそこに残っていますよ。

