福岡東エリアを歩いていたとき、ふと目に入った一枚のガラス。
はっきりとした模様というより、光が点のようににじんで広がっていて、
なぜか足を止めてしまいました。
昭和の家でよく見かけた
「型板ガラス」。
その中でも
「夜空」
と呼ばれる模様は、にじむ光と独特の粒感が印象的です。
昭和ガラス「夜空」の特徴 〜日本板硝子製
昭和ガラス(昭和型板ガラス)の
「夜空(よぞら)」は、
昭和30年代から昭和50年代にかけて
日本の一般住宅で広く普及した、星空をモチーフにしたデザインガラスです。

ガラスに無数の少し大きめのクロス模様がランダムに散りばめられています。
私は夜空という名前を知らずに見た時
「十字型のクロスが散りばめられてる模様だから南十字星とかそんな名前かな?」
と思っていました。
あとで星空モチーフだと知りました。
夜空ガラスは、細かい凹凸によって光をやわらかく拡散させるのが特徴です。
外の景色はぼんやりとにじみながらも、光だけが静かに広がっていく——
そんな独特の見え方が、どこか懐かしい空気を作っています。
光の見え方〜にじんで広がるやわらかい明かり〜
「夜空」は光を受けると放射状に輝き、まるで夜空にまたたく星のよう。
名前の由来でもあります。
通常の型板ガラスがすりガラスで背景を「ぼかす」のに対し、
夜空は光や景色を「にじませる」ような独特の視覚効果を持っています。
このにじむような明かりこそ「夜空」の本領発揮ポイント。
「銀河」との違い|星の大きさで見分ける
「夜空(よぞら)」と「銀河(ぎんが)」。
どちらも昭和を代表する星空モチーフの型板ガラスですが、
星の描き方や視覚効果に大きな違いがあります。
夜空
太めの十字型クロス模様がランダムに散りばめられています。
見た目はツルッとした感じ。
星が細かくきらめくというより、
少し太く、にじむように見えるのが印象的でした。
シンプルなデザインですが、光を受けると放射状に鋭く輝くのが特徴です。
銀河
大小さまざまな星が散りばめられていて、
名前の通り「キラキラした星の集まり」を表現しています。
「銀河」の大きい星を見ると、
タバコの
「ハイライト」
の昔のデザインを思い出すんです。
(現在はだいぶデザインが変わってる)こんなところが50代。
銀河と夜空の見分けかたのくわしい記事はこちらから
夜空よりも模様が賑やかで、区別しやすいです。
どこで見つけたか|福岡東エリアの住宅街で
私はよく「昭和の名残り」を探しに福岡東エリアを散策します。
そんな時、少し年季の入った住宅街を歩いていた時に偶然見つけた「夜空」。
多分同じ時期に一気に建てられたのか、
どこのお宅の窓にも夜空の型板ガラスが一枚はあった気がします。
当時とても人気だったのかもしれません。
まとめ|思わず足を止めた、静かな光のガラス
昭和ガラス「夜空」は、決して派手さのないガラスです。
それでも、ある角度から光があった時、
静かに美しく浮き出るようににじむ。
そんなところが私はとても好きです。
ひとりで街や路地裏を歩く楽しさのひとつは、こういう
「偶然の出会い」にあると思っています。
地図には載っていない、ただなんとなく足を止めた瞬間。
その偶然が重なって、今の昭和ガラスに魅せられた自分がいるのかもしれません。
ただのガラスなのに、時間や記憶までにじませるような不思議な存在です。
昭和ガラスが残る街は、まだどこかに残っています。
散歩のついでに、少しだけ目を向けて窓を見てください。
きっと、静かな光があなたを待っていると思いますよ。

