「猫の島」って、のんびりできるの?正直に話します

猫の島、相島。
その言葉を聞いて、どんな場所を想像しますか?
波の音を聞きながら、足元にまとわりつく猫たちを撫でて、
ゆったりした時間を過ごす——そんなイメージを持っている方が多いと思います。
私もそうでした。最初は。
でも何度も通ううちに気づきました。
相島は「のんびりできる島」ではあるけれど、
「気軽に行けばいいや」
という感覚でいくと、
ちょっとだけしっぺ返しをくらう島でもある、と。
道は地味にきついし、猫はいつも愛想がよいわけではないし、
フェリーの時間は容赦なくやってくる。
お昼を食べようと思ったらメニューが完売していた、なんてことも。
この記事は、そういう「思ってたのと違う」をひとつひとつ正直に伝えながら、
それでもなお「また行きたい」と思える相島の魅力を、月イチで通う私の視点でまとめたガイドです。
50代のひとり旅。効率よりも心地よさ。
失敗したくないけど、がちがちに計画も立てたくない。
そんな旅のスタイルに合わせて書きました。
相島の基本情報|どんな島?どうやって行く?

相島ってどんな場所?
相島(あいのしま)は、福岡県新宮町から船で渡る、玄界灘に浮かぶ小さな離島です。
島に暮らす猫の数が多いことで知られ、「猫の島」として国内外の観光客が訪れるようになりました。
でも相島は、猫だけの島ではありません。
漁業を営む人々が暮らしている、生活の島。
史跡も多く、積石塚古墳群や遠見番台跡、穴観音など、見どころは点在しています。
のどかな集落の路地を歩いていると、ここが本来どんな場所なのかが、じんわりと伝わってくる。
「観光地っぽい作られた感じ」
がないのが、相島のいちばんの魅力かもしれません。
アクセス
新宮港(福岡県新宮町)からフェリーで約20分。
フェリーは1日5〜6便と便数が少なく、季節によってダイヤが変わります。
乗り遅れると次の便まで1時間以上待つことになるので、時刻表の確認は必須です。
港の待合所で帰りの切符を買うのが、私の「相島に来た」儀式になっています。
これを買わないと落ち着かない。
そのくらいフェリーの時間は大事なのです。
繁忙期は満員になることもあるので、
乗船10分前には待合所近くに待機しておくのがおすすめです。
相島へのフェリー料金や最新の時刻表、
駐車場の情報はこちらの記事に書いています。 ⬇️

島内の移動手段
車もバスもありません。
移動手段は徒歩、レンタサイクル、レンタルキックボード(いずれも有料)の3択。
私は普段は徒歩です(たまにご褒美でレンタルキックボードに乗る)。
猫を見つけながらゆっくり歩きたいので。
ただし、これが地味に体力を奪うのですが……それは後ほど詳しく書きます。
相島の滞在時間の目安|2〜3時間が正解、でもそれだけじゃない話

「何時間あれば相島は回れますか?」
これ、よく聞かれます。
結論から言うと、目安は2〜3時間。
でも「目安」というのがポイントで、目的と自分の体力によってかなり変わってきます。
目的別の時間の目安
1〜2時間:港周辺の散策だけでいい、サクッと観光したい方
港に降り立って、周辺の猫たちと触れ合って、写真を何枚か撮って帰る。
それだけでも十分に「来てよかった」は感じられます。
でも欲を言うと、港だけではちょっともったいない。
2〜3時間(いちばんおすすめ):猫も海も、島の空気も楽しみたい方
集落の路地を歩いて、海沿いに出て、猫たちの様子をぼーっと眺める時間も作れる。
このくらいが、疲れすぎず、でも満足できるちょうどいいバランスです。
3時間以上:島を深く楽しみたいリピーターや、のんびりペースが好きな方
史跡巡りや島一周をするなら、3時間以上は確保したいところ。
ただし、これは「ある程度歩く覚悟がある人向け」です。
私のようにうっかり島一周してしまうと、
気づいたら2時間近く歩いていた……なんてことになります(笑)。
大事なことを一つ
猫がたくさん見られるのは、午前中の早い時間帯です。
お昼を過ぎると、猫たちはひんやりした日陰や寝床に移動してしまいます。
日差しを避けているんですね。
「猫にたくさん会いたい!」
という方は、朝イチのフェリーで渡ることを強くおすすめします。
島一周をなめてはいけない|地味にきつかったポイント

ここ、ちゃんと書きます。大事なので。
「これ、観光じゃなくて軽登山では…」
相島に行く前の私は
「小さい島だし、のんびり歩けばいいか」と思っていました。
履き慣れたスニーカー、動きやすいデニム。
それで十分だろうと。
……甘かった。
舗装されていない道もあるし、アップダウンが意外とある。
最初は「緩やかな坂だな」と思って歩き始めるのですが、
これが距離が伸びるごとにジワジワと体力を削ってくる。
気づいた時には「戻るに戻れない高さ」まで来ていて、引き返すことも難しい状況に。
実際に坂の途中で
「これ、観光というより軽登山では…?」
と思ったこと、一度や二度ではありません。
方向音痴×一本道のコンボ
島の道は単純に見えて、実は迷います。
私は一度、方向音痴の本領を発揮して、気づいたら島を一周していたことがありました。
「あれって…もしかしてめがね岩…?私もしかして一周した?」
と把握するのに、かなりの時間がかかりました(笑)。
その時はフェリーの時間まで1時間を切っていて、
時計をチラチラ確認しながらの珍道中になったのですが……
それはそれで、今となっては笑える話です。
島一周前に準備したいもの
- 帽子と日焼け止め(必須!日差しを遮るものが本当に少ない)
- しっかりめのスニーカー(できれば低反発インソール入り)
- 水は2本以上(史跡周辺に自販機はほぼない)
- 時刻表のスクリーンショット(スマホでいつでも見られるようにしておく)
日差しが強い季節はUVカットのカーディガンも。
逆に曇りや風が強い日は体感が冷えるので、1枚羽織れるものがあると安心です。
行く前に知りたかった「地味に大切な注意点」

大きなトラブルではないけれど、知っておくと快適さがぜんぜん違う。
そんなことをまとめます。
コンビニはない。食べ物は渡る前に準備を
島にコンビニはありません。
港近くに食事ができる場所がいくつかありますが、店舗数は少なく、
個人経営のお店が多いので臨時休業や営業時間変更もあります。
「お昼どうしようか」とのんびり考えていると、
混んでいたり、メニューが完売していたりすることも。
私はいつも、新宮港に着く前にコンビニでおにぎりや軽食を買っておきます。
あとはポーチにキャラメルかひとくち羊羹を忍ばせておくと、
高台での糖質補給に重宝します。これ、地味に大事です。
トイレは港周辺に3か所のみ
島の奥に行くほどトイレは見当たりません。
島に着いたら、まず港周辺でトイレを済ませておく習慣をつけておくと安心です。
自販機は港近くに集中している
島の奥に行くと自販機はほぼありません。
「まあ1本あれば大丈夫」
と500mlのペットボトル1本だけで出発したら、
思いのほかすぐに飲み切ってしまって心細くなったことがあります。
最低でも2本持っていくのがおすすめです。
座る場所は少ない(しかも高台にある)

「疲れたから座りたい」と思った時、ベンチがなかなか見つからない。
あったとしても、たどり着いた頃には足がすでにじんわり疲れていたりします。
「なんでこんなところに?」そんな場所にベンチがある。
折りたたみ椅子を持ってきたいような、でも荷物になるから嫌なような…
…という葛藤が起きるのが相島です(笑)。
猫は、必ずしも愛想よくない
「猫の島」と聞いて夢見てしまいますよね、猫ハーレムの場面を。
でも実際には、カメラを向けると逃げる子もいるし、
ちらっとこちらを見て猛ダッシュで去っていくこともある。
「今日は塩対応だったな…」
としょんぼりしながら歩いていると、
気づけば足元に1匹がついてきていたりする。
そういう予想外の瞬間が、かわいい。
猫と仲良くなりやすいコツ(あくまで私の体感):
- 朝イチのフェリーで渡る
- 静かに、ゆっくり歩く
- カメラはそっと向ける(機械音が苦手な子もいる)
- 「来てくれたらラッキー」くらいの気持ちで構える
相島で猫に会える場所や、
猫に好かれるためのコツをもっと詳しく知りたい方は、
[相島・猫とのふれあい完全攻略ガイド]をチェックしてみてください。
相島は「何もない」を楽しむ場所|大人の余裕で島時間を

困ったこと、しんどかったことをたくさん書いてきました。
でもそれでも、また行きたいと思ってしまうのが相島なのです。
コンビニも信号もない。
聞こえるのは波の音と風の音と、空高く舞う鳥の鳴き声だけ。
近場と高台では海の色がまったく違う。
新宮の海と相島の海は、同じ場所のそばにあるのに、なぜか全然違う色をしている。
あれは何度見てもきれいで、なぜなのか未だによくわからないのですが、だから余計に好きです。
猫が気まぐれに寄ってきて、ふいに足元でゴロゴロし始める。
言葉が通じない相手との、そのくらいの距離感が、実はちょうどいいなと思うようになりました。
「ひとりになりたいな」
「静かに過ごしたいな」
——心の中のコップがいっぱいになってきた時に、ふらっと行ける場所。
誰かに気を遣わなくてもいいし、疲れたら座ればいいし、気になる路地があれば曲がればいい。
相島はそういう時間を、静かに受け入れてくれる島です。
計画通りじゃないから気づける景色があって、
うまくいかないことも含めて、それが旅なんだなあと思えるようになってから、
相島がもっと好きになりました。
「猫に会いに行く」
より
「島を感じに行く」
くらいの気持ちで渡ってみてください。
きっとまた、ふらっと行きたくなる場所になります。
最後に:相島で「困らない」ための7か条
- 朝イチのフェリーで渡る(猫に会えるし、のんびりできる時間が増える)
- 島に着いたらまず帰りの切符を買う(フェリーの時間を心に刻む)
- 帰りの便は「1本前を目標」に動く
- 食べ物と水は渡る前に準備する(水は2本以上)
- 歩きやすい靴で行く(おしゃれよりも足の裏を大切に)
- 帽子と日焼け止めは必須(日差しを遮るものが少ない)
- 猫には期待しすぎず、でも心は開いておく
相島は、「何もない」が詰まっている場所。
相島に行く日の朝は、ちょっとだけ早起きしてみてください。
朝イチのフェリーに乗ると、港に降り立った瞬間の空気が全然違います。
観光客の波が来る前の、あの静かな相島が、いちばん好きです。
大人の余裕で、どうぞ楽しんできてください。
フェリーの準備や猫との接し方をマスターして、素敵な島時間を過ごしてくださいね!
新宮〜相島フェリー完全ガイド
相島・猫とのふれあい完全攻略ガイド
島旅のあとは、昭和レトロな空間で一息つきませんか?
昭和ガラス図鑑

